最近、Googleで何かを調べたとき、検索結果の一番上にAIがまとめた答えが表示されて、そのままページを見ずに終わってしまう——そんな経験はありませんか。
これは「AIによる概要(AI Overviews)」と呼ばれる機能で、日本語版でも2025年9月頃から本格的に広がっています。日経クロストレンド(2026年4月6日付)によると、Google検索の5件に1件でこのAI概要が表示されるようになったそうです。
また、行動ログ分析のヴァリューズとnoteが共同で行った調査では、AIの回答だけで満足してしまい元のサイトに一切アクセスしない「ゼロクリック検索」の割合が、2024年ごろの3割台から2025年9月には6割を超えたと報じられています。
米コンサルティング大手ベイン・アンド・カンパニーの調査でも、検索後に別サイトへ遷移しない比率が6割に上り、オーガニック流入(広告を使わず、検索結果から自然に訪れる人のこと)は15〜25%減ったという結果が出ています。
もちろんGoogle側は「多くの調査は不正確な情報に基づいており、大きな減少は起きていない」との見解を示しています(「日経速報ニュースアーカイブ」2025年9月9日付)が、体感として「アクセス数が思ったより伸びない」と感じている事業者の方は、地域でホームページを運営されている方にも少なくないのではと思います。
GEO・AIOって何?
こうした流れを受けて、最近「GEO」や「AIO」という言葉を見かけるようになりました。GEOは「Generative Engine Optimization」、AIOは「AI Optimization」の略で、どちらも生成AI向けの最適化を指す言葉です。
従来のSEO(検索エンジン最適化)が「検索結果で上位に表示される」ための工夫だったのに対して、GEO・AIOはAIが答えをつくるときに、自社の情報を「参照先」「引用元」として選んでもらうための工夫です。呼び方はまだ定まっていませんが、狙っているところはだいたい同じで、要は「AIに信頼できる情報源として選ばれるかどうか」ということになります。
ここで面白いのは、AIに選ばれるための工夫の多くが、実は昔からある「良いホームページの条件」とそれほど変わらないという点です。
- 誰が書いているかがはっきりしている(著者情報・実績の明示)
- よそにはない、実際の経験や独自の情報が載っている
- 見出しや箇条書きで、内容が整理されている
- サイトの中で情報の言っていることが一貫している
このあたりは、これまでのSEO対策と地続きの話です。むしろ、AIが情報を拾いやすい形に整えることは、人間の読者にとっても読みやすいページになるということでもあります。
「AIに選ばれる」より「AIにしか作れないものは何か」
一方で、AIにはどうしても作れないものがあります。それは、実際にお店に来たお客様の声だったり、その土地でしか撮れない写真だったり、長年その仕事をしてきたからこそ書ける具体的なエピソードだったりします。
網羅的な情報はAIがいくらでも集めてくれる時代だからこそ、「ここでしか読めない一次情報(実際に見聞きした人にしか書けない、他の記事の受け売りではない情報)」の価値がむしろ上がっているというのが、いま多くの専門家が指摘しているポイントです。
実際、生成AIからの引用を「脅威」ではなく「機会」ととらえている企業は約7割にのぼるという調査結果が報じられています。半面、まだ半数近くの企業が「様子見」の状態だともされていて(「日経MJ(流通新聞)」2025年12月17日付)、対応の差がこれから少しずつ表れてくる時期だと感じています。
まずできることから
ホームページをリニューアルしなくても、今すぐ見直せる部分はあります。たとえば、記事や商品ページに「誰が」「どんな経験をもとに」書いているかを一言添えるだけでも、AI・人間どちらにとっても伝わりやすさが変わってきます。
検索の仕組みが大きく変わっていく時期だからこそ、慌てて全部を作り直すのではなく、「うちのサイトにしかない情報は何か」を一度棚卸ししてみる。そんな小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。