IT機器を活用した障害者・高齢者支援プロジェクト
東日本大震災をきっかけに、障害者や高齢者のITリテラシー向上を目指す講座が開始されました。震災時、障害のある人ほど被害に遭った際の死亡率が高く、避難時のコミュニケーションが困難であったことが課題となりました。この事態を受け、ITを活用して自らの身を守る人を増やすことが求められるようになりました。
講座の開始
平成25年より、青森県からの委託事業として「視覚・聴覚障害者向けiPad講習の人材育成講座」が開始されました。2022年現在の講座名称は「障害者・シニアの方へiPadを教える人財育成講座」として実施してきました。
iPadの活用
iPadには、音声読み上げ機能や画面表示の拡大機能など、障害のある方にとって有用な機能が多様にあります。例えば全盲の方は、「ボイスオーバー」という機能を活用し、アプリを操作することができます。
講座の進行
1回の講座期間は約1~2ヶ月で、期間中は受講者にiPadを貸し出して、日常的にIT機器を使用し慣れることを促しています。また、学びを深めるために、受講修了者が講師となり、学んだことを次の受講者に伝える講義や実習も実施しています。
カリキュラムの改善
カリキュラムは、同団体、自治体、障害者協会や当事者などの意見を踏まえながら、新しい機器や技術、トレンドを踏まえて、常に見直しを続けています。
成果と展望
障害者や高齢者にIT機器の活用を促す講座により、障害によるハンデをITリテラシーの向上でカバーできることが周知されています。例えば、講座を受講した聴覚障害者は、話し言葉を字幕にしてくれるアプリを使い健聴者とコミュニケーションを取り、視覚障害者は、お札や服の色などが知りたい時にカメラアプリで撮影することで音声による情報を得るなど、平時の活用も進めることができています。
社会への影響
このプロジェクトにより、障害者や高齢者のITリテラシーが向上し、彼らが社会に参加する機会が増えています。また、災害時においても、IT機器を活用して情報収集やコミュニケーションができるようになることで、より安全に避難できるようになります。
今後の展望
今後は、講座の参加者を増やすために、さらに多様な組織や個人と協力しながら、新たな取り組みを展開していく予定です。また、最新のIT技術や機器を取り入れることで、障害者や高齢者が更に便利に情報収集やコミュニケーションができるようになることを目指しています。
東日本大震災をきっかけに始まった、障害者や高齢者のITリテラシー向上講座は、多くの人々にとって大きな成果をもたらしています。このプロジェクトを通じて、障害のある方々が自立し、社会参加の機会が増えることを期待しています。これからも、IT機器を活用して障害者や高齢者の生活の質を向上させる取り組みが広がることを願っています。